JouleLifeヘルスコーチ、管理栄養士の山本奈津子です。
8月も後半に入りました。夏の疲れが出やすい季節です。栄養学とはまた違った視点で健康を整えることができる東洋医学的な食事『薬膳』の考えをとりいれてみると、改善しなかった不調が改善されるかもしれません。
薬膳の思考は中国で生まれたもので、「個人に適した食事の提供」が基本となっています。薬膳に使用する食材は中医学によって分類されています。
薬膳と聞くと、独特の香りや味のある食材をイメージされる方が多いと思います。確かにそのような食材は薬効成分が多いこともありますが、薬膳では私たちが日常的に口にしているすべての食材に意味があるとされています。
個人の適した食事が基本なので、本来はそれぞれの体質にあった食材や調理法があるのですが、季節の特徴から影響を受けた不調の改善にも薬膳の考え方は役立ちます。
夏は、体に熱がこもる季節です。薬膳ではこの季節に心臓機能を高める食材を活かした食事をすると元気に過ごせるとされています。夏の疲れを癒すおすすめの食材をご紹介します。
ハト麦
むくみや肌荒れ、便秘の解消に効果があるとされる食材で、利尿作用があります。
お米にまぜて炊いたり、やわらかく茹でてスープに入れたり、粉末タイプを小麦粉に混ぜてケーキや揚げ物の衣に入れるなどの使用方法があります。
ハト麦茶も販売されているので、お茶として摂取するのが手軽でおすすめです。
きゅうり
口の渇きを癒し、清涼作用もあるので暑い夏にはおすすめです。利尿作用にも優れています。
しそ
食欲不振や腹部膨満感、嘔吐の改善に効果があります。清涼や利尿効果よりも、食中毒の予防や健胃のための利用がおすすめです。
キャベツ
胃の不調、食欲不振に効果があります。病後の回復のために使われる食材でもあり、夏バテで食欲のないときにスープにして飲むのがおすすめです。
これらの食材が夏の不調の全てを改善するというわけではありませんが、胃の調子が悪いときにキャベツやしそを取り入れたり、特に暑くて汗をよくかいた日にきゅうりを食べるなど簡単なことから始めてみましょう。
薬膳は「おいしくない」と思われている方もいらっしゃいますが、きゅうりやしそ、キャベツは普段からよく食べている食材ですね。薬膳でもっとも大切とされているのが「おいしい」ことです。お料理を目と鼻と舌で楽しむことで、五感が刺激されて消化酵素の分泌が高まり、消化力も高まります。
1日だけの健康食材より、毎日手軽に摂ることが大切です。日々の食事に少しずつ取り入れてみてくださいね。
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